胆道ガン、十二指腸乳頭部ガン、膵管内乳頭粘膜性ガンに対する可視総合光線療法

一般財団法人光線研究所 所長 医学博士 黒田 一明    【引用】

胆管、胆脳、膵臓などから発生するガンは診断時に進行している例が多く、手術可能でも難度が高く、患者の負担も大きくなります。さらに進行例では抗ガン剤治療の副作用で苦しむ場合もあります。

光線療法は、手術前から充分に行うことで術後の回復を促進させ、術後の光線療法はガンの再発予防に寄与します。

進行例で手術ができない場合、光線治療はガンの合併症の痛みや全身の症状の悪化を少しでも軽減し、食欲や睡眠を改善して生活の質を高め、延命に寄与します。

今回は表題のガンに関しての文献、光線治療例を解説します。

膵臓ガン(通常型膵ガン)については本紙570号を参照して下さい。

■ビタミンDは胆管ガン細胞の増殖を抑制する

ビタミンDの低値は消化器ガンの発生を増加させることが報告されている。しかしビタミンDと胆管ガンの関連は研究が少ない。試験管内においてビタミンDが胆管ガン細胞に与える影響を検討した。

試験管内に入れた2種類の胆管ガン細胞はビタミンDを添加すると、どちらも増殖が抑制された。さらに、胆管ガン細胞に抗ガン剤とビタミンDを同時に添加すると増殖は著明に抑制された。

以上から、ビタミンDは胆管ガン細胞の増殖を抑制し、とくに抗ガン剤との併用で著明に抑制される

■ビタミンDの合成不全が胆管ガン細胞の増殖を促進する(米国の研究2013年)

ビタミンDは種々のガンに抗腫瘍効果がある。試験管内の実験でビタミンDの投与が胆管ガン細胞に与える影響を検討した。結果、胆管ガン細胞ではビタミンD受容体に増加がみられ、さらにビタミンD分解酵素の増加、ビタミンDを合成する酵素の減少が認められた。

一方、ビタミンDの投与は胆管ガン細胞内のビタミンD分解酵素を減少、合成酵素を増加させて胆管ガン細胞を抑えた。以上から、胆管ガン細胞ではビタミンD合成が充分にできず、そのためビタミンD受容体を増加させ、少しでもビタミンDを作用させてガン細胞の増殖を抑えようとしている可能性が示唆される。

培養ガン細胞に対する近赤外線の抗腫瘍作用(日本の研究2010年)

細胞を接触冷却しながら、波長1100~1800nmの近赤外線を培養ガン細胞

に照射し、近赤外線のガン細胞に対する作用を検討すた。

結果、SCIDマウスに移植したヒト乳ガン細胞およびヌードマウスに移植したメラノーマの腫瘍増殖は近赤外線の照射で抑制された(SCIDマウス、ヌードマウスは免疫不全があり他の動物の細胞移植が可能)。

以上から、近赤外線はガン細胞に対して熱エネルギーとは別にガン細胞の増殖を抑える作用があることが示唆された。

■可視総合光線療法(光線療法の光、熱エネルギー4の抗ガン作用)

日光浴や光線療法とガンの関係は本紙でも頻繁に取り上げえてきました。

1、紫外線によるビタミンD生産とガン関連は4、血中ビタミンD濃度が高いとガン発生率や死亡率が低い(ビタミンDの抗腫瘍作用)。また、ビタミンD生産増加はカルシウム代謝を是正するので、この改善もガンの発生を抑制する。

2、可視線にはガンによる貧血の改善作用、創傷治癒促進作用、青色光の殺菌作用があり、ガン合併症の改善や予防になる。

3、近赤外線は温熱効果では体温上昇、血行改善を介し免疫機能を強化し抗ガン作用を高める。また、ガン患者に多くみられる冷えが体温の上昇により改善されると抗ガン剤の副作用の軽減になる。

さらに、近赤外線にはガン細胞の増殖を直接抑制する抗腫瘍作用がある。

光線療法はこれらの総合的作用によりガン治療や再発予防に有益と考えられます。とくに手術ができない進行ガンでは抗ガン剤の副作用、ガンの浸潤、転移の伴う痛みや倦怠感、食欲不振などが全身状態を悪貨させ生活の質が低下します。

このような病状に光線療法は生活の質を高めることで食欲、便通、睡眠を改善し延命につながり、少しでも楽な日常生活を送ることが可能となります。

◆治療用カーボン

1000-5000番、1000-4008番、1000-5002番、1000-6000番など使用。

痛み炎症には3001-5000番、3001-4008番、1000-4008番、1000-4001番使用。

◆照射部位・照射時間

両足裏部⑦、両足首部①、両膝部②、腹部⑤、腰部⑥(以上集光器使用せず)各5~10分間照射、背中中部28、肩甲骨間部⑫、後頭部③、(以上1集光器使用)、肝臓部27、左右咽頭部④(以上2号集光器使用)各5~10分間照射。これらの部位を病態や症状に合わせ照射。冷えが強い場合は治療器2台での治療や1日2回の治療が良いことがある。

【注意】胆管ガン、十二指腸乳頭部ガン、膵管内乳頭粘膜液性ガンは病院での診察、検査、治療が必要で、光線療法は病院治療に併用することになります。

■胆管ガン(がん研有明病院より)

胆管は肝内と肝外胆管に分けられ、肝外胆管の途中で胆汁の一部を貯めておき濃縮する袋が胆のうです。これら肝内外胆管と胆のうをあわせ胆道と呼びます。胆管ガンは胆管から発生する悪性腫瘍で、発生した胆管の部位により、肝内胆管と肝外胆管ガンの2種類に分けられます。

普通胆管ガンとと呼ばれるには、主に肝外胆管に発生したガンです。胆管ガンの主な症状は、黄疸、かゆみ、腹痛、発熱、食欲不振、全身倦怠感などです。胆道ガンは、肝臓ガンと並び治りにくいガンです。

胆道ガンを治す唯一の方法は手術で、手術できない場合は化学療法を行います。胆道ガンは手術後も再発が少なくなく、手術後の最初の5年間は3~4ヶ月ごとの腫瘍マーカーを含めた血液検査やCT検査などの画像診断を行い再発の有無を確認します。

一般的に病期診断で手術できると診断された場合の5年間生存率は10~30%くらい、手術できない時期と診断された場合の1年生存率は10~40%くらいです。

【治療例】胆管ガン 78歳 女性 主婦

◆症状の経過

65歳時、実父が脳梗塞で入院したが1ヶ月後に死去した。葬儀などで疲れ首、背中、腰の痛みが続いていた。友人から光線療法を勧められ当付属診療所を受診した。自宅で治療用カーボン3001-4008番を使って光線療法を続けた。首などの痛みは3ヶ月後改善した。

70歳時、疲労感が強く内科受診で黄疸と胆のうの腫れを指摘された。詳しい検査を勧められ大学病院で精査を受け結果、肝内胆管ガン(ステージⅡ)と診断された。

光線療法確認のため当付属診療所を再診した。

◆光線治療

治療用カーボン1000-4008番を使用し、⑦①②⑥27,28各10分間、⑤③各5分間照射。

◆治療の経過

入院までの間、光線療法を継続。手術では胆のう、胆管、肝臓の一部を切除。術後は抗ガン剤4を勧められが断った。光線治療は術後も同カーボンを使用し継続。

その後は定期的な画像検査、血液検査で異常なく経過。78歳の現在、光線療法継続で再発なく体調は良好。⑦①②⑤⑥28,各5~10分間照射を毎日継続中。

■十二指腸乳頭部ガン(愛知県がんセンター中央院より)

十二指腸乳頭部は、十二指腸、胆管、膵臓の間に位置する極めて小範囲の領域です。この部位に発生したガンが十二指腸乳頭部ガンです。このガンは50~70歳代男性に多く、発見の契機は、閉塞性黄疸、胆管炎、肝機能障害などです。臨床症状は、黄疸、腹痛、全身倦怠感と発熱などですが、20~30%は無症状です。

乳頭部ガンの標準治療は外科手術です。乳頭部ガンは、膵胆道系悪性腫瘍のなかでは比較予後良好な疾患で、乳頭部ガンの切除症例の5年生存率は約50%、早期乳頭部ガンでは5年生存率は90%以上です。

膵実質内までガンが広がっている場合は、膵ガン同様に予後は極めて不良になります。

【治療例】十二指腸乳頭部ガン 75歳 男性 会社役員

◆症状の経過

光線治療器は両親が長年使用しており、自分でも子供の頃から愛用していた。64歳時、黄疸に気づき近医を受診したが、精密検査が必要と言われ国立センター病院を紹介された。黄疸には胆汁ドレーンを入れる処置を受けた。光線治療法に確認のため当付属診療所を受診した。

◆光線治療

治療用カーボン1000-4008番を使用し、⑦②27,28,各10分間、⑤⑥③各5分間照射

◆治療の経過

自宅で毎日2~3時間照射した。その後の精査で十二指腸乳頭部ガン(ステージⅡ)と診断、8時間に及ぶ手術を受け無事成功。入院前から光線治療を十分に行っていたので、退院まで1週間と短く担当医も驚いた。退院後手術の傷の痛みに処方の鎮痛剤は服用せず、治療用カーボン3001-4008番の光線療法で軽快した。

術後3年目の検査は異常や転移もなく、術後5年目の検査でも異常なく、以後の検査は不要となった。術後11年目の現在(75歳)、元気で毎日約8kmの歩行、筋トレ、水泳を行い、治療用カーボン1000-4008番を使用し光線治療は継続している。

■膵管内乳頭粘液性ガン(IPMN、ガン研有明病院より)

この腫瘍は、1982年に世界に先駆けて当院から提唱された予後の良い膵ガンで、臨床的に膵管内にできたポリープからドロッとした粘膜がたくさんつくられ、色々な部位の膵管が拡張する病気(IPMN)です。

一般的に、膵液の大道りである主膵管にできたIPMNは、すでにガン化していることが多いため、手術を受けた方がよいと言われています。

一方、主膵管から分かれた枝にできたIPMNでは、それが3~4cmの大きさでもふくらんだ膵管の中にポリープが見られない時はしばらく様子をみることができます。

【治療例】膵管内乳頭粘液性腺ガン・大道脈弁閉鎖不全症術後、腎不全(血液透析中) 76歳 男性 無職

◆症状の経過

49歳時、急性心筋梗塞症で入院治療を受けた。退院後は下半身の冷えやだるさがあり、漢方薬を服用していたが改善がなく、52歳時、妻の勧めで当付属診療所を受診した。

◆光線治療

治療用カーボンは心臓病には3000-5000番、胆管炎には3001-4008番、膵管内乳頭粘液性腺ガンには1000-4008番をそれぞれ使用。

心臓病は⑦20分間、①②⑫各10分間」、③5分間照射。胆管炎は⑦②27,28,各10分間、①⑤⑥④各5分間照射。膵管内乳頭粘液性腺ガンは⑦①②⑤⑥27,28,⑫④などを各5~10分間照射。

可視総合光線療法の照射部位
光線療法の光線照射部位

◆治療の経過

自宅で毎日治療した。治療で足が温まり下肢のだるさは軽減。60歳時、以前からあった多発性腎のう胞による腎臓機能障害が進行した為食事療法をしっかり実行。その後は光線療法により体調はよかった。

68歳時、胆管炎から敗血症になり入院。光線療法を行っていたので回復は早く10日後に退院。半年後脳出血で入院治療。

この時膵頭部に腫瘍(7mm)が判断しガンの可能性で69歳時手術を受けた。73歳時、大動脈弁閉鎖不全症のため人口弁の手術を受け、術後は光線療法で回復が早く担当医が驚いていた。

75歳時から血液透析を開始。76歳の現在、手術を何回も受けたが光線治療で体調はよい。当所への通院治療と透析施設にて週3回血液透析を行っている。

【光線研究】一般財団法人光線研究所 第595号 -引用-

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